【学校紹介】東京都立西高等学校 前半(インタビュー)
学校紹介:インタビューNo.110
東京都立西高等学校
杉並区宮前4-21-32
【国際社会で活躍できる調和のとれた
器の大きな人間を育てる!】
共学校
👇👇👇インタビュースタート👇👇👇
✐✎✐✎まずは✐✎✐✎
Q1:1937年(昭和12年)に創立され86年目の学校ですが、現在各学年は何クラスで何名いますか。
A1: 全日制各学年8クラス、全体で950名在籍しています。
Q2: 昨年度20%の男女枠緩和がありましたが、男女比はどのくらいですか。
A2: 現1年生は男子が若干多く51:49です。現在の2年生は緩和10%でしたが、女子が多少多く入学しています。これまで募集定員は男子が若干多い割合になっていますので、それが緩和によってほぼ同数になりました。これは都内の公立中学校は男子生徒の方が多いため、東京都教育委員会(以下『都教委』と称する)の方で男女の比率に応じた募集人数にしていましたので、どの都立高校でも男子の方がクラス分程度多くなっていたと思います。
Q3:来年度男女の定員枠がなくなりますが、どのようになると考えていますか。
A3:今年2割になっても男女がほぼ同数の状況でした。3割の時、4割の時とシミュレーションしてみても、あまり変わりがなかったので、今後は男女ほぼ同数になると予想しています。
推薦では女子の倍率がこれまで高かったので、合格者は女子の方が多くなるかもしれませんが、そうなると一次の女子の受検生が減るはずなので、今後の動向を見ていきたいところです。
Q4: 『文武二道』『自主自律』を教育理念として、国際社会で活躍できる調和のとれた器の大きな人間の育成を目指して教育活動をしているようですが、具体的にどのようなことを行っていますか。
A4: 国際社会で活躍できる器の大きな人間の育成のために、7つのポイントがあります。『理数教育の充実』『探究活動の推進』『グローバル化への英語教育』『ICT対応』『キャリア教育の充実』『教養教育の充実』『言語能力の向上』です。英語教育では、1年生では英語でディベートに取り組ませ、2年生ではオンライン英会話を授業の中で月1回全員に課しています。それ以外に留学をしたい生徒は都教委主催の『次世代リーダー育成道場』に参加しています。今は6名ですが、コロナ前は約10名が参加していました。都教委で選考していますが、準1級を取得している生徒などは面接試験のみとなり、英語能力試験の免除になります。この『次世代リーダー育成道場』は1年生で申し込み、早い生徒で12月に出発しますが、「休学」扱いで留学し、戻ってきてからは下の学年で高校生活を過ごす生徒が多くいます。なぜなら大学受験のことを考えると高校の勉強をしっかりしておかないと受験も厳しいからです。帰る時期が3年の6月になる場合は、一般受験はかなり難しいです。海外留学の経験を使っての大学の推薦入試も9・10月にありますが、希望する大学ではなかったりします。留学した生徒たちは留学して得たものも多くあるので、それを活かしつつ下の学年で一生懸命に学習をしています。
また、本校独自の海外リーダーシップ研修として、アメリカ研修を行っています。40名のツアーを組み、ハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)へ行く8日間の研修があります。事前研修では現地での交流をよりスムーズに行うために11月から月1回程度ではじめ、春季休業に出発します。
さらに、姉妹校交流として、インドネシアの学校とホームステイ型の交流があります。夏にインドネシアに行き、12月に向こうから来た生徒を受け入れ、家族ぐるみでの交流をしています。
本校では、できる限りいろいろな形で世界に視野を広げ、目を向けさせています。しかし英語ができればいいというわけではありません。今の高校生は、英語を使ってコミュニケーションを取らざる負えない時代に生きていく子たちだろうと思います。日本にいても普通に海外とオンライン会議ができる時代になりましたので、自分の考えを日本語でも英語でも発することができることが必要と考えています。このような点で『器の大きい』『一回り大きい』『色んなことを身に付けた』その裏付けになるのが『教養』でもあるので、普段の教科の勉強もしっかりとやっておくことが必要と考えています。
Q5:授業の中に月1回オンライン英会話があるのは、いいですね。
A5:授業の中で扱った教科書の内容を基に、自分でエッセイを書きます。それをネイティブの教員が添削しますので、そこでライティング力を身に付きます。それを自分で相手(オンライン)に英語で発表すると、その内容について質問が返ってくるので、それに対して自分で英語を使って答えます。それを繰り返すことを20分間行い、また相手が変わって20分行います。人が変わると質問内容も変わりますし、反応も変わってきます。マニュアル通りの反応が返ってくるわけではないので、生徒にとってよい勉強の機会だと思います。最初は自分の英語が通じるかドギマギしていますが、徐々に慣れてきて3学期になると自分の考え方をきちんと伝えることができるようになります。その場でお題が出されてディベート的なことをお互いにやり取りをしたりすることもできるようになります。英語4技能5領域の育成と言われていますが、総合的な英語力を付けさせていくためにも必要な取り組みと思っています。
Q6: 自転車で通学することはできますか 。
A6: 自転車で通学することはできます。自転車で通学している生徒は全体の41%です。本校は三鷹市、武蔵野市に隣接する場所にあるので、電車が縦には通っていないこともあり、練馬区、世田谷区の生徒が自転車で通学している生徒が多いです。
Q7: どのエリアから通ってくる生徒が多いですか
A7: 地元の杉並区が一番多く、次いで世田谷区、練馬区、武蔵野市が多いです。多くの通学経路がありますので、全都から通学しやすいようです。
✐✎✐✎東京都指定校✐✎✐✎
Q8:都教委より『進学指導重点校』に指定されていますが、どのような取り組みを行っていますか。
A8:『進学指導重点校』は、『難関国公立大学の合格を目指させる学校です』という位置づけにありますが、実際に合格させるだけのために何か特別なことはしていません。生徒の興味関心に応え、いろいろな取り組みをしています。本校では、1・2年次に全員が同じ科目を履修します。選択科目を置くという考え方よりは、全員、しっかりと3年間学習に取り組ませていきます。理系であっても全員に古典の授業を課していますし、文系でも数学、理科を学びます。そういう点で、国公立大学受験(大学入学共通テスト)に向けて、幅広く多くの科目を学ばせていくところが一番大きいところかもしれません。
本校は※JETが2名おりますが、それは進学指導重点校だからではなくGE-NET20で配置されているからです。進学指導重点校という看板を持っていますが、それ以外に英語教育をさらに充実させるために『Global Education Netwark20』の指定や理数教育を充実させるために『理数研究校』の指定を都から組み合わせて受けています。進学指導重点校としては、都教委から教員1名が多く配置されているだけです。学校として唯一できるのは、教育課程上の配慮になります。それ以外の部分は様々な都教委の指定を組み合わせて学校運営しています。
※JETプログラムは、「語学指導等を行う外国青年招致事業」(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略称で、地方自治体が総務省、外務省、文部科学省及び一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)の協力の下に実施しています。
Q9:『理数研究校』に進学した在校生たちの利点を教えてください。
A9:本校では希望者を募って、三宅島や高尾山で野外実習を、外部の専門の先生に来ていただいて実施しています。また大学の先生をお招きして講演会をしていただいています。『理数研究校』の利点は、本校の予算だけではしにくいことを幅広く行い、生徒たちに還元しています。『理数研究校』なので、国内での野外実習となりますが、希望者を募ってできるのがメリットになります。広く門を空けていますので、やりたい生徒が参加できます。
Q10:『Global Education Netwark20(GE-NET20)』の【学問・探究グループ】としてどのような活動を行っていますか。
A10:この一つとして、独自に企画しているハーバード大学やMITへのアメリカ研修のほか、首都圏公立進学校長会主催のスタンフォード大学研修への参加などがあります。英語を使っての異文化理解というより『先方が今何を考えているか』『自分はどう考えるか』を話し合うコミュニケーション力の向上を図ります。校内に東京大学などに留学している学生を招いて、実際にアメリカへ行った時と同じようなコミュニケーション力の向上を図る『Empowerment Program』も行っています。他にも、海外で活躍している方をお招きしての講演会や、オンライン英会話を行ったり、(英語で)ディベートをしたり、インドネシアとの交流もあります。
✐✎✐✎基礎知識・技能・学力 ✐✎✐✎
Q11: 本日、『オンライン学習デー』のようですが、いつから、どのくらいの頻度で行われているのでしょうか。
A11: 昨年度から都教委は『一人一台端末を生徒に』ということで3万円の負担(差額分は都教委負担)で、生徒たちに購入をしてもらう形になりました。それに合わせて今年から年に一度以上『オンライン授業』を実施することになりました。
課題をオンライン上で出して、そのレポートを各自で作成してアップさせるやり方もあれば、教員が教室で説明をして生徒たちはそれを聞く双方向型オンラインのパターンもあります。なかなか授業スタイルで実施すると、普段の授業とは違うので、生徒からは評判は良くありません。コロナ禍では、生徒が繰り返し見られるようにYouTubeなどで映像授業をオンデマンド配信した科目もありました。
一人一台端末を持っているので、今後も『どのように使わせていくのか』という視点で本日オンライン授業を行っています。
Q12: 少人数授業や習熟度別の授業はありますか。
A12: 英語の一部の科目で2クラス3展開の習熟度別授業を実施しています。3年生の体育は種目選択で少人数授業を実施しています。2年生の数学BとCも習熟度別で、発展的な内容を学習する生徒を集めて授業を行っています。教科によっては、基礎をしっかり学ばせる生徒を集めて編成する場合もあります。
Q13:土曜特別講習・夏期講習は、どのようなものがあり、どのように行われていますか。
A13:今年度の夏期講習は74講座ありました。土曜特別講習は、補習・講習のほか、『源氏物語』を読む講座、毎月『世界の料理』を紹介する調理実習、油絵入門など行っています。希望して受講することができます。
Q14:生徒全員が6教科7科目の授業を行っているのでしょうか。クラス分けなどで教科を絞りますか。
A14:芸術科目を1・2年で履修しています。美術・音楽・工芸から自分で学びたいものを選びますが、芸術科目でクラスをしてはいません。3年生になると文系・理系でクラス分けしています。選択科目によってクラス編成されるので、一斉に選択の時間帯で分かれるのではなくクラス単位での授業が基本になっています。
Q15:文理のクラス数を教えてください。
A15:理系クラス4、文系クラス3、混合クラスが1クラスあります。教室が2つあり英語と体育は一緒に行っていますが、それ以外は別の科目を学習しています。
Q16: 卒業生のチューター制度がありますが、全員が活用できますか。
A16: チューターは放課後に来ており、全員今年の卒業生で、曜日によって決まった学生が来ています。在校生は誰でも活用することができ、進路相談や学習相談にのってくれています。
Q17: 学校は何時まで残ることができますか。
A17: 10月までは午後6時、11~1月までは午後5時半が最終下校になります。グラウンドに照明がないので、冬は早くしています。本校の隣に西高会館があります。校地との境界に仕切り物がないので本校の敷地のように見えますが、そこは、夜間自習室として午後8時まで使用することができます。最終下校後、ここで勉強している生徒がいます。
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