【学校紹介】駒澤大学高等学校(前半:インタビュー)

学校紹介:インタビューNo.21

駒澤大学高等学校

世田谷区上用賀1-17-12

「行学 一如」の理念に基づき

個々の人間力と可能性を育みます

今回インタビューに答えてくださった 校長 貫井 洋先生

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✐✎✐✎2022年度入試 学校説明会✐✎✐✎

11月6日(土), 20日(土), 12月4日(土)いずれも 15:00~16:40

※ホームページよりお申し込みください。

✐✎✐✎2022年度入試 学校見学✐✎✐✎

11月13日(土), 27日(土)いずれも 15:00~16:40

1月8日(土)13:00~15:00 受験生個別相談会

※ホームページよりお申し込みください。

✐✎✐✎駒澤大学キャンパス開催学校説明会✐✎✐✎

11月23日(火・祝)

午前の部 : 10:00~11:30

午後の部 : 14:00~15:30

※ホームページよりお申し込みください。

👇👇👇インタビィースタート👇👇👇

✐✎✐✎まずは✐✎✐✎

Q1:男子校が1995年に男女共学になり26年目になりますが、男女の割合はどのぐらいですか

A1:女子が1割強多くいます。付属の学校で、大学が併設してあるので、親御さんにとって安心感があるのではないでしょうか。また駒澤大学は文系が主体ですので、文系の学部に興味がある生徒が本校を選んでいただけるので若干女子が多くなるのではないでしょうか。

Q2:どのエリアから通ってくる生徒が多いですか。

A2:神奈川です。横浜、川崎地域、ここは田園都市線の沿線です。ここは用賀か桜新町が最寄りの駅になっています。用賀の次が二子玉川駅、そこを過ぎると多摩川が直ぐにあって、そこから先は神奈川県になります。そちらから来る生徒さんたちは東急電鉄の田園都市線1本で通うことができたり、二子玉川で乗り換えて東横線沿線から来られたり、溝の口や長津田で横浜線から乗り換えてくるケースが多くあります。6割強が神奈川県から通ってくる生徒です。また、渋谷で接続する各線からの生徒も相応にいます。

Q3:墨田区から乗り換えなしの1本できましたが、こちらの方からはどうなのでしょうか。

A3:東武スカイツリー線、半蔵門線の沿線の方もいます。いますが、都心にはいろんな学校さんがありますので、選択として神奈川県の方は通いやすいのだと思います。1本で来られる付属系の学校がたくさんはないので神奈川県からの方が多いのだと思います。でも同様に、東武スカイツリー線からの直通に乗れば、半蔵門線から田園都市線に直通なので、乗り換えなしで通学できるので意外と便利だと思います。

✐✎✐✎学びの特徴✐✎✐✎

《心の教育》

Q4:「心を養う」ための心の教育を行っているようですが、どのようなことを行っていますか。

A4: 1つに仏教の時間があります。これは入学してから週に一時間ずつ3年間やります。最初は広い宗教観、宗教の成り立ちから学びが始まります。人間が社会を形成しているとどんな社会でも宗教があり、それがどこから生まれてきたのかを考えていきます。みんなの社会を「平和に」「豊かに」を目指していく心が宗教に繋がっていったのだろうと言われていますが、そこを探りながら学びます。本校は仏教の曹洞宗という宗派の学校です。仏教に理念や概念のテキストがあり、それを使いまして仏教の様々な歴史や人物の生い立ちを追いますが、それ以外に宗教には面白い言葉や話があります。そのようなものを扱いながら心をどのように豊かにしていくか、育てていくのかを考えていく時間が”仏教の時間”です。中学校までの道徳の時間に近いので、そのような内容でイメージしていただくのが一番いいと思います。

【 五観の偈 】

今はコロナで静かに食事を食べなければいけないので、実際には放送で流すだけにしていますが、心の教育の一環に、食事の時に食事訓(五観の偈)という偈文(げもん)が5つあります。偈文にどのようなことが読まれているかというと、目の前に出てきた食事は「今、簡単に食べられるけれど、ここまでに多くの人の手数がかかっています。ご飯ひとつをとっても、米を植えて育ててそれを収穫して、流通に乗せてお店から保護者の方が苦労してそれを購入して、それをお米として炊くための炊飯器を作る人がいて、多くの人が関わってやっと炊いた温かいご飯が自分の手元に届くわけです。そういった多くの人の労苦を振り返って食事というものを食べてみましょう。」というのが最初です。次は「食事をいただくにあたって、この食事をいろんな手数がかかって食べられるようになっているのと同じように、自分はどうなのだろう、食事を頂くだけの一日の行いをしっかりやってきたのだろうか、もう一度自分を見つめなおして食事を食べましょう。」ということです。ここでは2つ目までしか紹介しませんが、何気ない日常生活を振り返りながら、心豊かに過ごしていきましょう、ということをやっていくのが宗教の時間です。

【本山の研修】

本校の行事でも特色があるのは、本山の研修があるということです。曹洞宗には本山が2つあり1つは福井県の永平寺ともう1つが神奈川県横浜市鶴見区にある石原裕次郎のお墓があることで有名な総持寺です。その両本山へ体験学習に行きます。総持寺は1日、福井は遠いので1泊で行きます。なかなか他の学校ではできないことを体験します。坐禅をして静かに自分のことを振り返ってみたり、普段お会いできない偉いお坊さんからの説法を聞いたり、精進料理といって野菜だけの質素な食事をいただいたりします。それでも、修行されている方から「私たちはこんな豪華なものは食べられません」と言われると生徒は驚いていました。夜9時には寝て3時に起きて、洗面を済ませるとすぐに坐禅して身の回りの掃除をします。お寺の修行僧がやられていることの、ほんの少しまねごとのようなことですが、私たちの日常生活からはかけ離れたことを体験して、今ある生活の有難みを考える機会となります。

あるときの説法では次のようなお話がありました。

「皆さんは、修行というと厳しいものだと想像する人も多いと思うけれど、実はそうではありません。今修行に来られる方はだいたい高校か大学を出られてすぐに修行に入られる方です。高校生の皆さんとそんなに年が離れていません。修行の経験はない方がほとんどです。皆、不安を抱えながら初めて修行に入るのです。その時に最初に話すのは目の前にある何でもないことを1つ1つを丁寧にやりなさい、何事にもしっかり向き合い、着実に見つめながら行動をしなさいということです。それが、人が成長する根本なのです。一例に、朝の洗面という、何気ない動作を例にとってみましょう。洗面器に汲んだ一杯の水でさえも無駄に使わない、これまで、すぐに捨ててしまっていた水であっても、もう一度見つめなおして、一つ一つを大切に使おうとしてみる。そんなことから、気づきを得ていくことで、人は少しずつ成長していくものです。」

こうした話を聞くと、私達の日々の生活は恵まれていて、そのことに無頓着になってしまっていることに気づかされます。本山での体験は、そうした人の生き方の原点を取り戻す機会になっています。

【建学の理念】行学一如

建学の理念は、「行学一如」です。行学一如とは、学ぶこともそうだけど、学校は机に向かう学びだけが大切かというと、そうではなく学校に付随する様々ことが大切だということです。「大学に合格するために受験勉強だけすればあとはどうでもいい」ということでは人として総合的な成長は果たせない、その部分だけはよいのかもしれないけれども、総合的に人としてよりよく生きいくためには、いろいろのことに向き合って、いいことも悪いことも、辛いこともあるでしょうけれども、しっかりと目の前のことをやっていきましょうということです。学びも、日々のさまざまな行いも一体のものだということを表す言葉です。

【生徒たちへの思い】

このようなことは今の生徒たちが直ちに理解できるものかはわかりません。でも、卒業してから何十年後に同窓会で卒業生と会った時に、仏教の学びや当時の話のことが話題になることがあります。あの時(学生時代)はどうも思わなかったけれど、今社会に出てしばらくして、家庭を持ち、子供が生まれてきたときに、先ほどの食事の偈文の話や目の前のことを一つ一つ大変であってもコツコツ積み重ねて行こうという話が、蘇ってくるとことがあるそうです。「今更ながら、もう一度永平寺に行けませんか。」というような話が出ることもあります。後々の人生のどこかの転機や人生の中で変化があったときに価値の見いだせる言葉や体験なのかもしれません。卒業生にとって人生のどこかで役に立つかけがえのない思い出に残るものでであってよいのではないかと感じています。よりよく生きるために肌で感じ、吸収して、人生の岐路にあったときに思い出す。人生に悩んだ時に、踏ん張って歩みを進めるときのきっかけになれば、人生の宝になります。今すぐにどうこうということではないかもしれません。長く人生と生きていくために指針となるようなことをいくつか体験させることができるかなと思います。

※曹洞宗:鎌倉時代から宋から日本に伝えられた禅宗です。

《活発な部活動・多彩な行事》

Q5:運動局が23部、文化局が14部ありますが、部活動の加入率はどのくらいですか。

A5:80%です。8割は何かの部活動に加入しています。

Q6:学校行事等が盛んにおこなわれているようですが、体育祭はどこで行いますか。

A6:駒沢の陸上競技場を使ってやっています。

Q7: 部活動の引退はいつですか。

A7: 基本的には3年生のインターハイまでです。全国に行ければインターハイまで出ますが、予選までですと6月下旬には大会が終わりますので、そこが1つの目安になります。部活動によってはそれ以降に大会があるので、多少ズレはありますが、3年の1学期くらいまでが多いです。他の大学へ受験したいという希望がある者に関しては顧問の先生に申し出ることで、練習の日程を緩和してもらうとか、2年生の時期で引退するとかを相談に応じながら柔軟に対応する形でやっています。

《多彩な学習環境》

Q8: コースについてお聞かせください。(1年次基礎課程、2年次から進学コース、受験コースに分かれている。)何クラスずつありますか。人数の割合を教えてください。

A8: 通常12クラスあります。1年次は全員同じ教育課程で履修し、2年次から2コースに分かれます。駒澤大学に内部推薦で進学することを目標とする進学コースは10クラスです。受験コースは駒澤大学以外の大学へ進学していくことを目安にしているコースで、文系と理系が各1クラスずつの2クラスを原則にしています。これは1年時の秋口にガイダンスを開いて次年次にどちらのコースを選択するかの希望を取ります。受験コースは原則2クラスで運用しています。

Q9:駒澤大学は文系の学部が多くありますが、進学コースの生徒たちは全クラス文系のカリキュラムですか。

A9:文系主体の時間割を組んでいます。しかし、理数系にも相応の単位数を設け、バランスの取れたカリキュラム編成をしています。

Q10:駒澤大学の理系科目の学部(医療健康科学部)を希望している生徒も同じようなカリキュラムで学習しますか

A10:医療健康科学部は医療放射線科学、いわゆるX線やCTの電磁波が専門の領域です。画像診断ですので、一部生物、医学系の分野も含まれています。それは国家資格が必要になっていますので、学部の先生と話をして、出来れば受験コースから入学をしてほしいという話があります。進学コースに入っても選択で理科を履修できるようにしていますので、そこでフォローアップをしていく形を組んでいます。数学や理科のうち、特に物理については、ある程度しっかり履修をする必要があります。時には、直接、医療健康科学部の先生から入ってから学習する内容をレクチャーしてもらうこともしています。

Q11:2年から3年に進級する際にコース変更はできますか。

A11:未履修がおきてしまうものがあるので、できません

Q12:長期休暇中の講習はどのくらいの講座が準備されていますか。また講習は受験コースだけでしょうか。

A12: 駒澤大学へ内部推薦で進学をするときに、3年次の秋口に校内試験を実施します。2年次でも行いますが3年次が最後になるので、それに向けて3年次は夏休みに補習をしています。例年300名以上がその講座を受講します。そのほかに他大に受験する生徒を対象とした補習も実施しています。いずれも、夏休み入ってすぐと、後半に、合計2週間の講習を行っています。

講座数はその時の生徒の状況によりますが、駒澤大学への内部進学の校内試験は、国語、英語、あとは、選択科目で数学、日本史、世界史、公民、政治経済が出題範囲になるので、その試験科目にあったものを受講できるようにしています。受験コースの生徒たちは生徒のニーズに合わせて開講しています。

Q13:駒沢大学へ進学するにあたり基準を教えてください。

A13:駒澤大学からは評定平均値が3.0以上あるということが条件として求められています。ところが3.0をクリアするのはほとんどです。ですので、高校1年次から3年次までのそれぞれの科目の点数を100点法で換算して評価しています。その科目の積み重ねの平均を50%でみています、あとは校内で2年次と3年次に1回ずつ実施する試験を両方合わせて50%でみています。それらの成績を合算したところで点数が高い順に希望の学部学科を順番に割り振り、進学する学部学科を決めていきます。

Q14:一番人気の学部はどこですか

A14:今人気の学部は経営学部、グローバル・メディア・スタディーズ学部です。年によって違いますが、文学部の心理や福祉、経済学部が比較的人気がある学部です。先ほど話に出た医療健康科学部の推薦枠は9名ありますが、実際に推薦では4名入学になっています。成績が足りていれば良いかというとそうではなく、進路指導していく中で、大学の学習に興味を持って持続していけるかなど、生徒の興味や特性などをもとに、面談等を重ねて選択するようにしています。

Q15:併願ができるようですが、他大学を受験する生徒たちは全員出来ますか。

A15: 駒澤大学から出されている推薦枠の概ね1割程度は他大学との併願が認められています。昨年は41名が併願として提出し、実際にはその半数近くが駒澤大学へ進学しています。

Q16:進学コースの生徒でも他大学を第一希望にして併願ができますか。

A16:できます。逆に受験コースにいて駒澤大学へ進学することもできます。ただ実際には、受験コースにいて駒澤大学へ進学する生徒は少ないです。

Q17:駒澤大学の内部推薦で入学が決定するのが10月、1月~2月かけて入学準備ということで課題が出されるようですが、どのような課題が出されますか。

A17:大学と提携して、大学から直接、図書課題が出されるケースがあります。大学の選抜方法が変わりました。今まで推薦入試は書類審査だけでした。ところが、今は制度上何らかの選抜(試験)をしなければいけなくなりました。現在は大学が仮に内定したところで論文(図書課題)を提出するものになります。これにパスしないと、正式内定とはなりません。また、内定後、3学期には進路別学習といって、3年生はクラスを解体して進路の決まった学部学科ごとにクラス編成をしなおして、時間割を変えて学習をします。大学からは指定された課題を家庭で行い、自分たちで進めていき定期的に提出してもらいます。これは大学に入るための知識、論文の書き方などです、情報を読んでそれをまとめ、自分の意見を加えてアウトプットしていく基礎的な練習が主流になっています。更に、大学から事前指導講座があり、大学のキャンパスへ行き進学する学部学科の先生方から大学に入ってからの心構えの講義を受ける機会を設けています。

Q18:高大連携教育でどのような取り組みがありますか。

A18:基本的に進路に対してのガイダンスの強化を行っています。我々も高校の中で教育していると経済学部はイメージが付きますが具体的にどのような研究をしているのか、経済と経営違いは何だろうと分かりづらいところがあります。したがって大学の先生にお越しいただいて、そのようなガイダンスの授業を高校生向けにしていただきます。また、大学のキャンパスの雰囲気を感じることも含めて大学に行って大学の講義室(教室)で生徒たちが1時間の講義を受けることでの連携を行っています。希望制ですが、大学のゼミを体験することもできます。

今年は各学部学科のゼミを紹介する動画を作って、生徒たちに見てもらう形でやりましたが、通常であれば肌で感じて大学の研究の一端を知る連携をしています。

👇👇👇引き続きインタビュー後半&入試情報をお届けします。👇👇👇

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