【学校紹介】東京都立科学技術高等学校 前半 インタビュー

学校紹介:インタビューNo.153
東京都立科学技術高等学校
江東区大島1-2-31
『 将来の技術者・研究者を育てる 』
共学校

校長 佐藤 正吾先生
👇👇👇インタビュースタート👇👇👇
✐✎✐✎まずは✐✎✐✎
Q1:江東工業高等学校と化学工業高等学校であり、その流れを汲む学校として、2001年(平成13年)に創立された学校ですが、現在各学年何クラスあり、在籍数は何名ですか。
A1:2001年(平成13年)、都立高校では初めて科学技術科を設置した新しいタイプの学校として開校し創立25周年を迎える進学重視型の専門高校です。各学年6クラスあり、全校で613名在籍しています。
令和6年から創造理数科が設置されました。
1・2年生では、1組が創造理数科、2組から6組が科学技術科、2組が特別進学クラスです。3年生は、全クラスが科学技術科、1・2組が特別進学クラスです。
科学技術科のある都立学校は、本校と多摩技術高校の2校だけ、また創造理数科のある都立高校は本校と立川高校の2校だけになります。
Q2:男女比はどのようになっていますか。
A2:現在の男女比は、女子21%、男子79%です。
Q3:校訓として『叡智』『創造』『調和』がありますが、どのような取り組みをしていますか。
A3:1年生で実施するSSH宿泊研修において筑波研究学園都市に点在する国の試験研究機関の見学及び研修者からの講話、西表島、尾瀬や三浦海岸のフィールドワーク、修学旅行において最先端の施設見学と自然世界遺産(屋久島ほか)または国立公園などをめぐり、知的好奇心を実験・実習、探究活動、課題研修を通して、これまでになかったものを新しくつくりだす人材の育成に取り組んでいます。
Q4: 自転車で通学することはできますか 。
A4:保安部品や自転車保険、ヘルメットの所持・着用を確認し許可制で自転車通学を認めています。
Q5: どのエリアから通ってくる生徒が多いですか。
A5: 主に江東五区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)より約6割の生徒が通学しています。
西は多摩市や町田市、23区すべての区から生徒は通学しています。
京王線・都営線が乗り入れているため、乗り換えの必要がなく、通学できています。
✐✎✐✎文部科学省・東京都指定校✐✎✐✎
Q6: 文部科学省よりスーパーサイエンススクール(SSH)の指定を受けていますが、どのような取り組みを行っていますか。
A6: 授業:
● SS科学技術探究(科学技術科1年生/2単位)
問いの立て方、倫理観、フィールドでの学びなど、研究の基礎を身に付けます。年度末にはプレ課題研究として発表を行います。
● SS課題研究(科学技術科2年生/3単位)
1年次の研究を継続する生徒や、新たに個人研究を開始する生徒がいます。本校に整備された大学並みの充実した施設・設備を活用して研究を進め、2月に研究発表会を実施します。
● SS卒業研究(科学技術科3年生/3単位)
2年次の研究を発展させ、卒業研究としてまとめます。11月に発表会を実施しています。
なお、1〜3年生全員の研究について、外部の大学の先生11名にお越しいただき、講評をいただいています。
● 創造理数探究基礎(創造理数科1年生/2単位)
問いの立て方や倫理観など、探究活動の基礎を学びます。年度末にはプレ課題研究として発表を行います。
● 理数探究(創造理数科2年生/3単位・3年生/2単位)
1年次の探究を継続して、各自のテーマに基づき、探究活動を進めます。2年生は2月に、3年生は11月に研究発表会を実施します。
創造理数科は昨年度新設された学科で、東京都からの重点支援を受け、多くの予算が投入されています。その取り組みの一環として、東京大学生産技術研究所と連携しており、先日は大学院生が来校し、生徒への直接指導が行われました。また、女性研究者である大島教授、川越准教授による講演も実施しています。
野外活動:科学技術系部活動(科学研究部、ロボット部、機械工作、園芸、MCG・・・)など、研究活動に取り組んでいます。
フィールドワーク:西表島(マングローブ・生態調査)、尾瀬(生物・環境調査)、城ケ島地質・水生物調査、都内(猿江恩賜公園等)鳥類観察・ヒキガエルの生態調査
研究発表:SSH東京都内指定校合同発表(12月)、関東近郊SSH合同発表(3月)、SSH全国生徒研究発表会(8月)、大学主催の高校生理科研究発表会、学会発表に参加しています。
この他、海外姉妹校ならびに他校との共同研究をしています。
9月に千葉大学の高大連携支援の一環として実施された「高校生理科研究発表会」では、本校から過去最高65件の発表がありました。そのうち3件が受賞しました。
本校では、研究活動だけでなく、校内で最低3回、さらに外部でもプレゼンテーションの機会を設けているため、生徒のプレゼン力が大きく伸びます。現在は、マイクロプラスチックの研究に取り組んでいる科学技術科2年生がおり、昨年度には京都大学のポスターセッションで東京代表に選ばれています。
外部研修:筑波研究施設(1年生全員)、大学研究室訪問(東京大学、千葉大学他)(希望者)
Q7:東京都教育委員会(都教委)より海外学校間交流推進校の指定を受けていますが、どのような国の学校とどのような交流をしていますか。
A7:姉妹校提携・研究発表交流をしています。台湾の木柵高級工業職業学校、麗山高級中学校、韓国の光州ソフトフェアマイスター高等学校の3校です。
先ほどお話した通りSSHとかぶる部分がありますが、現在、ソフトフェアマイスター高等学校の生徒と共同研究をしている生徒がいます。月に一度オンラインで状況の確認・報告をしていますし、10月には来ていただき、対面ですり合わせや進捗状況を確認しています。12月28~30日には、韓国の学校を訪問し発表会を合同で行う予定です。
昨年度まで実施していた『さくらサイエンスプログラム』では、インドセントメリアー校・インディアインターナショナルスクール(江東区)との交流をしていました。
生徒全員が、1年に一度、英検(実用英語技能試験)を受験することができる受験料等の支援を受けています。来年3月に受験予定です。
✐✎✐✎基礎知識・技能・学力✐✎✐✎
Q8:令和6年度に『創造理数科』が開設され、2つの科(科学技術科・創造理数科)となりました。それぞれでは、どのようなことを学べるのでしょうか。
A8:創造理数科:理数系分野の幅広い素養と情報活用能力を高いレベルで併せもち、それらを生かして新しい価値を生み出すことのできる人材を育成します。また、理数探究の時間等を残しつつ、国公立大学理系学部へ一般受験で合格を目指すカリキュラムになっています。
特徴としては、理数科目や情報の科目、理数に係る探究を合わせると、全体の教育課程の約50%を占めています。また、理科・数学においては、理数物理・理数化学・理数生物、理数数学としており、学年や従来の科目の枠に捉われず体系的かつ効率的に理解を深めていきます。
一般受験で国公立大学の理系学部を受験することを、想定している科になります。
科学技術科:科学技術に関する実験や実習を通して、研究者に求められる科学技術分野の幅広い知識・技能を培い、将来の科学技術者・研究者として活躍できる人材を育成します。理系大学進学を前提としたカリキュラムになっています。具体的には、数学・理科の単位数が多く、科学技術科の専門科目を20単位学びます。
1年次は、工業技術基礎を通して広く学び、
2年次以降は、1分野 機械・制御工学系、2分野 電子・情報工学系、3分野 化学・バイオ系の分野から一つを選び深く学びます。分野に分かれる際に、人数調整をすることなく、生徒自身の希望に応じてその分野を学ぶことができます。
3年次は、進学希望に対応できるように、選択科目を開講しています。
2・3年次はクラス内に3分野の生徒が混在しています。課題研究など専門科目を学ぶ際に分野別に分かれて授業が行われています。
Q9:少人数授業や習熟度別の授業はありますか。
A9:数学(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学ⅡB演習)、物理(物理、物理基礎)、英語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ)で習熟度別の授業を行っています。
Q10:進級する際に科の変更はできますか。
A10:高校受験の際に選択したかについては、変更できません。ただし科学技術科では、2年生より機械・制御工学系、電子・情報工学系、化学・バイオ系を選択し、2年間専門の学習を行います。
Q11: 科学技術科では2年次より専門分野が3つ(機械・制御工学系、電子・情報工学系、化学・パイオ系)に分かれますが、自分の好きな分野へ進むことはできますか。
A11:1年次にすべての系列について学んだ後、2年生からは自分が学びたい系列を選択します。
その際に、各系列で人数の制限を設けていませんので、自分自身が選択した系列で2年間学ぶことができます。
Q12: 課題研究はどのように行うのでしょうか。(個人・グループ・期間など)
A12:原則、個人単位で行いますが、研究テーマに類似性が見られれば、グループで行うこともあります。
研究期間は、1年次の探究基礎から始まり、3年次の卒業研究まで3年間行います。
Q13:長期休み期間中に講習はありますか。あれば、どのくらいの講座を準備していますか。
A13:夏、冬の休業期間中に講習を行っています。国語、数学、理科、社会、英語の教科で43講座、大学入試対策や英語検定講座、その他多岐にわたる講座を行っています。冬季では、大学共通テスト対策講習や、昨年の3年生から学年団が中心となって、校内勉強合宿を行い朝から夕方まで勉強漬けの講座も設けています。1日10時間勉強し続けます。
Q14: 自習室はありますか。
A14:自習室は設けていませんが、放課後ホームルーム教室やゼミ室(研究や習熟度別で行う授業の際に使用する部屋)が多くありますので、それぞれの部屋で自習をしています。ホームルーム教室は「一人で集中して勉強する教室」、こちらの教室は「友達と相談しながら勉強してよい教室」と普通教室を区別して運用している学年もあります。
Q15:学校の最終下校は何時ですか。
A15:最終下校時刻は、16:50ですが、部活動や研究活動などで、延長届を提出すると18:30まで延長可能です。
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