入試で押さえておきたい日本のこと【文学Ⅰ・上代~中世】
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受験生と話していて『古典文学の作品と作者の名前が分からない』と話していたので、ここで文学の時代区分をチェックして、その時代の作品、作者を確認してみましょう。
時代区分による分類
★上代文学(飛鳥時代・奈良時代の文学)
★中古文学(平安時代の文学)
★中世時文学(鎌倉時代・南北朝・室町時代・安土桃山時代の文学)
★近世文学(江戸時代の文学)
★近現代文学(明治・大正・昭和・平成・令和時代)
今回【文学Ⅰ】では上代文学・中古文学・中世文学を確認していきます。
上代文学(飛鳥時代・奈良時代の文学)
●『古事記』・・・日本最古の書物(歴史書)。712年(和銅5年)太安万侶(おおのやすまろ)が編纂。
●『日本書紀』・・・奈良時代に成立した日本の歴史書(全30巻)。全体は漢文で書かれ、和歌は万葉仮名で書かれている。舎人(とねり)親王らが編纂。
※『古事記』と『日本書紀』を合わせて『記紀』と呼ばれている。
●『風土記』・・・奈良時代初期に政府で編集・選定した書物。国ごとの地名・文化風土や産物などをまとめ、天皇に献上した報告書。
●『万葉集』・・・7世紀後半から8世紀後半にかけて編纂された、現存するわが国最古の歌集。全20巻からなり、4500首の歌が収められている。大伴家持(おおとものやかもち)らが編纂。
中古文学(平安時代の文学)
✐✎✐✎和歌✐✎✐✎
●『古今和歌集』・・・平安時代初期に、醍醐天皇の勅命によって作られた最初の欶撰和歌集。全20巻、紀貫之・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・紀友則・壬生忠岑(みぶのただみね)らが編纂。
✐✎✐✎物語✐✎✐✎
●『竹取物語』・・・作者は不明。かなによって書かれた最初の物語。平安時代前期に成立したが、正確な成立年は未詳
●『伊勢物語』・・・平安時代前期の歌物語。実在した在原業平を思わせる男を主人公にした短編歌物語集。『竹取物語』と並ぶかな文学の代表作。作者不詳。
●『源氏物語』・・・作者は紫式部(平安時代中期に彰子に仕えた女房)。平安時代中期に成立した日本の長編物語(小説)、日本文学史上最高の傑作とされる。心情的な「もののあはれ」文学といわれている。
✐✎✐✎日記✐✎✐✎
●『土佐日記』・・・作者は紀貫之。日本最古の日記文学の一つ。男性による最初の『かな』の作品
●『蜻蛉日記(かげろうにっき)』・・・作者は藤原道綱母。結婚してから20年間の回想録的な日記である。
✐✎✐✎随筆✐✎✐✎
●『枕草子』・・・作者は清少納言(平安時代中期に定子に仕えた女房)。知性的な「をかし」文学といわれている。
中世文学(鎌倉時代・南北朝・室町時代・安土桃山時代の文学)
✐✎✐✎和歌✐✎✐✎
●『新古今和歌集』・・・鎌倉時代初期に、後鳥羽上皇の命によって作られた8番目の欶撰和歌集。全20巻。撰者は藤原定家・藤原有家・藤原家隆・藤原雅経・源道具・寂蓮法師。
●『小倉百人一首』・・・藤原定家が選んだ秀歌撰。
✐✎✐✎物語✐✎✐✎
●『平家物語』・・・作者は不明。鎌倉時代に成立した軍記物語。平家の栄華と没落、武士階級の台頭を和漢混交文で描いている。
●『太平記』・・・作者・成立時期は不詳。全40巻の軍記物語。南北朝時代を舞台に、後醍醐天即位から2代将軍足利義詮の死去と細川頼之の官僚就任までの約50年が描かれている。
●『宇治拾遺物語』・・・編著者は未詳。鎌倉時代前期(1212年~1221年)成立と推定され、日本の説話物語集(約200編)である。『古今物語集』と並んで説話文学の傑作とされる。
✐✎✐✎随筆✐✎✐✎
●『方丈記』・・・鴨長明
●『徒然草』・・・兼好法師(吉田兼好)
※三大随筆『枕草子』清少納言・『方丈記』鴨長明・『徒然草』兼好法師(吉田兼好)
✐✎✐✎その他✐✎✐✎
●『風姿花伝』・・・作者は世阿弥(室町時代初期の大和猿楽結崎座の猿楽師)。父観阿弥の教えを基に書かれた能楽論書
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